ニューマチックケーソン工法とは

レインボーブリッジ

ニューマチックケーソン工法とは、深くて大きな「縦穴」を掘るための工法です。

たとえば、レインボーブリッジに代表されるような長大な橋を作る際には、その橋脚を立てる基礎を打つために、直径・深さ共に数十メートルにものぼる巨大な縦穴を掘らなければなりません。

このような縦穴を、バックフォーなどの一般的な建設機械を用いて上から掘ろうとしても、重機のアーム(腕)の長さに制限があり、なおかつ深く掘り進めれば掘り進めるほどに、地中からは大量の地下水が湧き出て来ます。

そのため、従来型の工法では、一定以上の深さの「縦穴」を掘ることは非常に難しく、また危険も伴います。

そこで生まれたのが、「ニューマチックケーソン工法」という特殊工法で、これは、次のようなものです。

分かりやすく例えると…コップや風呂桶などの容器を逆さまにして、内部の空気が逃げないようにしながら水中に沈めてやると、容器の中の空気が水を押し出して容器内に空間が出来ます。

この原理を利用して、容器の中に出来た空気のある空間の中で掘削作業を行い、地面を掘り進めるに従って、そのまま容器全体を地中に沈めて行くというのが、このニューマチックケーソン工法の特徴です。

用語としては、ニューマチック(peneumatic)というのは「空気の」という意味で、ケーソン(caisson)というのは、「函(はこ)」というような意味です。

空気の函(はこ)を地中に沈めてゆく工法なので、「潜函工法」とも呼ばれています。

ニューマチックケーソン工法の工程

先に説明したように、コップを逆さまにしたようなコンクリート製の容器内(ケーソン)の作業空間で地面を掘り進め、同時にこのケーソン上部に橋脚の基礎などを構築しながらケーソン全体を地中に沈下させ、更に深く掘削します。

こうして「掘削」「沈下」「構築」を繰り返しつつ、次第に地中深く掘り下げてゆくのが、このニューマチックケーソン工法の工程です。

ニューマチックケーソン工法

人的作業による掘削

昔のニューマチックケーソン工法では、左の図のようにケーソン内部に人が入って掘削の作業していました。

しかし、地面を深く掘れば掘るほど、ケーソン内部への地下水の侵入を防ぐため、作業空間内の気圧を地中からの地下水圧より高くしてやらねばなりません。

そこで外部からのポンプによって、作業室内に空気を送り込み、ケーソン内部の気圧を高めてやる必要がありますが、このことによって掘削作業員は通常より高い気圧の中での作業を余儀なくされます。

高気圧下で長時間の作業をしたあとに急激に通常の大気圧の環境に戻ると、身体が適応できず、「減圧症」と呼ばれる症状が現れることがあります。

そのため、写真のような「マンロック」と呼ばれる減圧室に入って、時間を掛けてゆっくりと元の気圧に戻してやらなければなりません。

しかし、これでは作業効率が著しく低下してしまいます。

ケーソンショベルの遠隔操作

このようなことから、近年では「ケーソンショベル」と呼ばれるロボットアームに掘削ショベルを取り付けた専用の掘削機械を、ケーソン外部からの遠隔操作によって行う「無人掘削」の方法が一般的になっています。

この遠隔操作による無人掘削機には複数のカメラが取り付けられ、作業室の天井に設けられたレールに吊り下げて移動させる仕組みになっています。

レール吊り下げ式なので、作業中に操作を誤ってショベル重機を倒したり、重機同士がぶつかったりというような事故もほとんどありません。

地上の遠隔操作室

この機械を操作するのは、地上に建てられた建物内の遠隔操作室で行います。

遠隔操作室は、デスクの上にパソコンのモニターが置かれ、オペレータはこのモニターを見ながら手元のレバーを操作して行ないます。

操作レバーは、左の写真のように机上置いて使うもののほか、より操作しやすいように椅子に取り付けられているものもあります。

どちらも一般的な建設機械の操作方法とほとんど同じですから、重機オペレーションの経験がある人ならば、その操作に戸惑うことはないでしょう。

もちろん、初心者には懇切丁寧に操作方法を指導します。

たとえ未経験者であっても、少し練習すれば、テレビゲームの感覚で、その操作技術を瞬く間にマスターすることが出来ますので心配ありません。

規模の大きな工事現場になると、何十台ものケーソンショベルが設置され、それを操作するオペレータの数も膨大になります。

建設機械のオペレータとは言っても、実質はエアコン完備の室内でパソコンを操作するデスクワークが主要な業務となります。

よって、建設業務の経験の無い人や事務系の方でも十分にそのキャリアを活かせます。

ニューマチックケーソン工法の今後の需要

ニューマチックケーソン工法による工事は、先に紹介した長大橋建設における橋脚下部工事のほか、雨水や下水をコントロールして都市部の洪水を未然に防ぐポンプ所の建設工事、さらにはリニアモーターカー建設に伴うトンネル工事など多岐にわたっています。

一方で、この「ニューマチックケーソン工法」に従事する技術者や技能士の数が圧倒的に足りていないのも事実です。

この機会に、あなたも是非、将来にわたって高収入の道が開けるこの仕事にチャレンジし、最先端の技術と資格を手に入れて、リニアモーターカーや大規模橋梁の建設など、日本の未来を築く大型建設プロジェクトに参加してみませんか?

弊社は、皆さんの若い力を応援し、その夢を実現させるべく、建設業界における技術者の育成を目指して活動しています。

ギャラリー

工事の全体概略図

研修では工事に付随する様々な部門の業務をひととおり学び、各人の適性に応じて部門配置します。

橋脚下部工事

レインボーブリッジのような長大橋建設における橋脚下部工事を行っています。

リニアモーターカー

リニアモーターカー建設に伴うトンネル工事を行っています。